皆さんは「生前整理」という言葉を知っていますか?
人によってさまざまなイメージを持たれている生前整理ですが、実際はどうなのか気になる方も多くいらっしゃるかと思います。
この記事では、生前整理に関するエピソードを、「反対意見」である、生前整理をしなければよかったと思ったエピソードと「肯定意見」である、生前整理をしておけばよかった・してよかったと思ったエピソードに分けてそれぞれご紹介していきます。
生前整理を検討されている方や、生前整理について知りたいという方はぜひご一読ください。
目次
そもそも生前整理とは?
生前整理とは、ご自身が元気なうちに身の周りの整理をしておくことを意味しており、具体的には、財産の整理・自宅や部屋の整理・デジタル機器に保存されたデータやアカウントの整理などが挙げられます。
生前整理を始める時期は60代以降が多く、大きな区切りとして60歳を選んだり、長期的に行うことを想定しながらタイミングの良い時期を選ぶ方が多い傾向にあります。
前述のように年齢を重ね、老後への備えや終活の一環として生前整理を行う方も多くいますが、20代・30代などの若いうちから万が一のために生前整理を行う方もおり、今その必要性を感じている方は年齢に関係なく増えてきています。
それではここから、生前整理に関する実際のエピソードをご紹介していきます。
【反対意見】生前整理をしなければよかったと思ったエピソード
生前整理を持ちかけ父と大喧嘩
遠方で一人暮らしをしている父と久しぶりに会いました。
私は夫と子供2人、4人家族で暮らしており、父の居住スペースを確保できる状況だったので同居を提案しましたが、父が首を縦に振ってくれることはありませんでした。
そんな時に生前整理という言葉を知りました。
父は片付けが苦手で、家に行くとテーブルやキッチンに物が散乱していることもしばしばありました。
少しでも快適な生活を父が送れるよう生前整理を提案すると、父は顔を真っ赤にして激怒してしまいました。
「俺はまだ病気一つしていないし、ボケてもない。そんな縁起の悪い話二度とするな」
父とはその話をしてから疎遠になっています。
あの時父になんて伝えていたら怒らせずに話ができたのか、今でもわかりません。
疲労が溜まり母と険悪に
父・母共に70代を迎えたため、万が一に備えて生前整理をすることになりました。
しかし、思っていたよりもスムーズに作業が進まず、加えて荷物の整理や情報の洗い出しなど大変な作業量に体力は削られていくばかり。
父も気疲れした様子ではありましたが、毎日ルーティン化された家事に加え、生前整理という新たな作業が生まれた母は父以上に疲れているようでした。
ある日母から一本の電話がきました。
内容は「生前整理をやめたい」というもので、高齢の体ではこれ以上続けられないとのことでした。
せっかく始めたのに勿体無いと思った私は母に説得を試みましたが、それがかえって逆効果だったようでした。
母は「生前整理など行わなければよかった」という言葉を残して電話を切ってしまいました。
険悪な雰囲気にしたい訳ではなかったのに、なんだか悲しい思い出となってしまいました。
【肯定意見】生前整理をしておけばよかった・してよかったと思ったエピソード
ブランド物を隠していた父
先日父が亡くなりました。
父は真面目で堅実で、いつも家族のために一生懸命働いてくれていました。
定年後は自宅で穏やかに暮らしていたようで、年末年始や特別な行事で年に数回帰省すると、嬉しそうにニコニコと笑っていたのを覚えています。
ある日遺品を整理するために父の部屋に向かいました。
そういえば父のクローゼットの中を見たことってあまりないな、そんなことを考えながら部屋の奥にある木製の扉を開けると、そこには同じブランドの洋服がいくつも整然と並んでいました。
そう言えば昔聞いたことがありました。
「◯◯っていうブランドが若い頃大好きでね」
意外だな、なんて思ったのを覚えていますが、こんなに大切に保管していたなんて知りませんでした。
生前の父は、自分のことを話したりするタイプではありませんでした。
だからこそ父の好きだったものを遺品で思い出すことができて私は嬉しかったです。
ですが同時に、これが生前であれば父の若い頃の話や好きなもの・ことの話を思う存分聞けたのに、と後悔する気持ちも湧いてきました。
遺品整理になる前に生前整理ができたなら、そう思わずにはいられませんでした。
認知症の母の愛
数年前に母の認知症がわかってからは、正直言って苦しいことばかりでした。
もちろん苦しいことだけではなく、嬉しかった・楽しかったこともありました。
でもそんなプラスの気持ちを忘れてしまうくらい、母の介護と仕事を両立をしなければならなかったあの時は疲れ切っていたのです。
ある時、物忘れが激しくなる前に生前整理をして身の回りのものを整えておこうという話になりました。
母はなんだか恥ずかしそうにしていたので、私物を私に見られたくないからだと思いました。
最大限配慮しながら身の回りの整理を進めていると、キッチン棚の奥に小さなノートを見つけました。
捨てるものかどうかの判断をするため中身を見ると、そこには母の字でびっしりと料理のレシピが書かれていました。
「これ、お母さんが用意してくれたの?」
そう母に尋ねると、母は恥ずかしそうに頷きます。
その後も、箪笥の奥から洗濯の豆知識や、お風呂場の棚から日用品の節約術など、あらゆるメモノートが見つかりました。
見つけるたびに母は恥ずかしそうに笑います。
生前整理を始める前に恥ずかしそうに笑っていたのはこういうことだったのか。
母は正常な判断ができる時もあります。
今母は、私の知っている頼りになってなんでも知っている、優しい母でした。
生前整理をしなければ母が生きている間にこのメモを見つけられませんでした。
また、この先何があったとしても、母は私が大好きな母なのだと強く実感することができました。
本当によかったと心から思っています。
トカノハートでは生前整理を承っております
いかがでしたか?
今回は生前整理に関する皆さんのエピソードをご紹介していきました。
記事を読んでいただいた方の中には同じような経験をされた方もいるのではないでしょうか?
トカノハートでは、生前整理をしなければよかったと思ったエピソードにあったような生前整理による家族のそれ違いを少しでも減らし、ご家族・ご本人が安心して前向きに過ごせるよう、東京23区・関東全域で生前整理の代行を承っております。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!