「終活はいつから始めればいいの?」「何から手をつければいいか分からない」と感じている方は多いのではないでしょうか。
終活に早すぎるということはなく、思い立ったときが始めどきです。
とはいえ、年代によって優先すべきことは異なります。
この記事では、終活を始めるベストなタイミングや、エンディングノートの作成・身辺整理といった具体的な進め方を、年代別に紹介します。
おひとりさまならではの備えについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
終活とは?

「終活」という言葉は聞いたことがあっても、具体的に何を指すのか、何をすればいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、終活の意味や、終活を行うことで得られるメリットについて解説します。
終活の意味
終活とは、「人生の終わりのための活動」を略した言葉です。
医療・介護の方針や葬儀の形式、財産の整理、身の回りの片付けなど、自分の人生の締めくくり方について元気なうちから考え、準備しておくことを指します。
単なる「死への備え」ではなく、人生の終わりを意識することで、残りの人生をどう過ごしたいかを見つめ直すきっかけにもなります。
終活を行うメリット
終活を行うことで、以下のようなメリットが得られます。
● 遺される家族の負担を軽減できる
● 家族間の相続トラブルを防止できる
● 自分らしい最期を実現できる
● 心の整理ができ、残りの人生を安心して過ごせる
● 家族とのコミュニケーションが深まる
● 身の回りが整理され、生活が快適になる
葬儀の形式や医療・介護の希望、財産の分配方針をあらかじめ明確にしておくと、いざというときに家族が判断に迷ったり、相続を巡って対立したりするリスクを減らせるでしょう。
また、自分の希望を整理する過程は、これまでの人生を振り返り、家族と向き合うきっかけにもなります。
あわせて身の回りの物を整理すれば、日々の暮らしもすっきりと快適になっていくはずです。
終活はいつから始めるべき?

いざ終活を始めようと思っても、若いうちから始めるべきなのか、それとも定年後で十分なのか、タイミングに迷う方は少なくありません。
ここでは、終活を始めるベストなタイミングについて解説します。
終活に「早すぎる」ことはない
終活に「早すぎる」ということはありません。
むしろ、判断力や体力が十分なうちに始めるほど、余裕を持って準備を進められます。
実際、40代・50代のうちからエンディングノートの作成や資産の整理を始める人も増えており、20代や30代で終活を意識しても早すぎるということはないでしょう。
大切なのは年齢の目安よりも、「始めようと思ったとき」に行動に移すことです。
年代別でみる終活のベストタイミング
終活で意識すべきことは、年代によって異なります。
● 20代・30代:情報整理の習慣を身につける時期
● 40代・50代:自分と親、双方の終活が重なる時期
● 60代・70代:本格的に取り組む時期
● 80代〜:内容を見直し最終確認をする時期
20代・30代は、将来に向けた基礎固めを意識し始める時期です。
40代・50代になると、自身のセカンドライフへの備えに加え、親の介護や相続といった課題が現実味を帯びてきます。
60代・70代は定年を迎え時間的な余裕が生まれることから、終活を本格化させるのに適したタイミングといえるでしょう。
80代以降は、これまで取り組んできた内容を見直し、家族と共有していく段階に入ります。
終活は何から始める?

終活と一口にいっても、エンディングノートや身辺整理、財産整理など、やるべきことは多岐にわたります。
何から手をつければよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
すべてを一度に進める必要はなく、優先順位をつけて少しずつ取り組めば十分です。
ここでは、終活の基本となる4つの取り組みを紹介します。
エンディングノートの作成
エンディングノートというと、「万が一のときのために書いておくもの」というイメージを持たれがちです。
しかし本来は、これからの人生をどう過ごしたいかを見つめ直すためのノートでもあります。
ここでは、2つのステップに分けて書き方を紹介します。
ステップ1:「これからどう生きたい?」を書いてみる
最初から預貯金や保険、葬儀やお墓のことを書く必要はありません。
まずは、「これから、どんなふうに生きていきたいか」を考えてみましょう。
● 今、自分が大切にしていること
● これからやってみたいこと、行ってみたい場所
● 会いたい人、もっと一緒に過ごしたい人
● どんな仕事や暮らしをしていきたいか
● 5年後、10年後にどんな自分でいたいか
● 自分にとって「幸せ」と感じられるのはどんな時間か
こうした少しワクワクするようなことを、自由に書き出してみてください。
やりたいことや大切にしたいことは、年齢や環境によって変わっていくものなので、そのたびに書き直して構いません。
今の自分と向き合い、これからの人生について考えてみることが終活の最初の一歩です。
ステップ2:「もしものときに必要なこと」を整理する
これからどう生きたいかを考えたら、次は現実的に必要な情報も少しずつ整理していきましょう。
病気や事故は、年齢に関係なく起こり得るものです。
自分自身のためにも、家族や大切な人を困らせないためにも、以下のような情報をまとめておくと安心です。
● 氏名・住所・緊急連絡先などの基本情報
● かかりつけ医や服用している薬
● 預貯金や保険などの金融情報
● クレジットカードや各種契約、サブスクリプション
● SNSなどのデジタル情報
● 医療や介護についての希望
● 葬儀やお墓についての希望
● 家族や大切な人へ伝えておきたいこと
すべてを一度に整理する必要はありません。
書けることから、少しずつ始めていけば十分です。
エンディングノートは、人生を終えるためだけのノートではなく、今の自分を見つめ直し、これからをどう生きたいかを考えるためのノートでもあります。
年齢に関係なく、まずは「これからやってみたいこと」を一つ書いてみることから始めてみましょう。
身辺整理・断捨離
身辺整理では、身の回りの物や情報を「残すもの」と「手放すもの」に分けていく作業を行います。
主な取り組みは以下の通りです。
● 不用品の処分
● 重要書類の整理
● 家族に伝えるべき情報の整理
● サブスクやSNSなどデジタルデータの整理・解約
一気に片付けようとせず、優先順位を決めて進めることが大切です。
まずは生活必需品や貴重品の保管場所を明確にし、そのあとで思い出の品や趣味の物といった、判断に時間のかかる物へと進めていくと、無理なく整理できます。
財産・資産の整理
終活における財産・資産の整理とは、自分が持つ資産を一覧にまとめておくことです。
具体的には、以下のような対象を書き出していきます。
● 預貯金(銀行名・口座番号など)
● 株式や投資信託などの金融商品
● 不動産
● 生命保険・年金
● 借金やローンなどの負債
資産を棚卸ししておくことで、相続について具体的に考えるきっかけになります。
また、作成した財産目録は、将来的に遺言書を作成する際の基礎資料としても役立つでしょう。
医療・介護・葬儀の希望
自分らしい最期を迎えるためには、医療・介護・葬儀に関する希望も整理しておく必要があります。
● 希望する医療の方針(延命治療、臓器提供の意思など)、かかりつけ医の情報
● 希望する介護の場所、介護を担ってほしい人、費用負担の考え方
● 希望する葬儀の形式や規模、納骨方法、お墓の管理者など
これらは家族だけでは判断が難しい内容です。
自分の意思をできるだけ具体的に書き残しておくことで、いざというときに家族が迷わず対応できるようになります。
【年代別】終活でやるべきこと

終活は年代によって、取り組むべき内容の優先順位が変わってきます。
ここでは年代ごとに、具体的にどのような行動を意識するとよいかを紹介します。
20代・30代:情報整理と人生の目標設定
20代・30代は、終活というよりも、将来に向けた準備を少しずつ始める時期です。
● 銀行口座や保険、スマホ・PCのパスワードなどを一覧にまとめる
● デジタルデータや身の回りの物を整理する習慣を身につける
● 葬儀や納骨に関する希望をメモしておく
この年代のうちから情報を整理する習慣をつけておくと、40代以降の本格的な準備がスムーズになります。
また、親や祖父母の終活を手伝う経験を通じて、終活の知識を自然と身につけられるのもこの時期ならではのメリットです。
40代・50代:ライフプランの見直しと老後の備え
40代・50代は、自分自身の老後への備えと、親の介護が同時に視野に入ってくる時期です。
● エンディングノートを作成し、希望や情報を書き記す
● 持っている預貯金や不動産、保険などをリストにまとめる
● 生命保険や年金がいくら受け取れそうか確認しておく
● 老後にどれくらいのお金が必要か、大まかに計算してみる
● 親の年齢や健康状態、家族構成を整理しておく
40代のうちは、10〜15年先を見据えて「今後どう働き、どう貯めていくか」を考え、資産を大まかに把握しておく段階です。
50代になると、今の住まいに住み続けるか見直すかを考えたり、もしものときに備えて誰にどう対応してもらいたいかを決めておいたりと、より具体的な準備へと踏み込んでいきます。
60代・70代:本格的な身辺整理と財産管理
60代・70代は、退職などを機に時間の余裕が生まれ、終活を本格的に進めやすい時期です。
● 遺言書を作成し、保管方法まで決めておく
● エンディングノートを完成させる
● 葬儀やお墓の内容を具体的に決める
● 使っていない口座やカードを解約し、資産を整理する
60代は、法的な書類の整備や生前整理など、これまで準備してきた内容を形にしていく段階です。
70代になると、資産を現金化したり、介護費用など目的別に口座を分けて管理したりと、実際に使う場面を意識した整理へとシフトしていきます。
80代〜:医療・介護の希望と相続の準備
80代以降は、これまで積み重ねてきた準備の総仕上げをする時期です。
● 延命治療や介護の希望を最終的に確認する
● かかりつけ医と情報を共有しておく
● 遺言書の内容や財産の分配方法を確認する
● 相続人と話し合いの機会を持つ
● 残っている身辺整理を済ませ、重要書類を家族と共有する
体力の低下を考慮し、無理のない範囲で進めることが大切です。
すでに準備してきた内容を見直しながら、家族とのコミュニケーションを重ね、安心して過ごせる状態を整えていきましょう。
おひとりさま終活のポイント

配偶者や子どもがいない「おひとりさま」の場合、家族に頼れない分、生前のうちに法的な備えや相談先を確保しておくことが特に重要になります。
ここでは、おひとりさま終活で押さえておきたい2つのポイントを紹介します。
死後事務委任契約などの法的な備え
死後事務委任契約とは、葬儀の手配や行政への届出、住居の明け渡しなど、亡くなったあとに必要な手続きを、信頼できる第三者に生前から依頼しておく契約です。
家族がいない場合、こうした対応を頼める相手がいないと手続きが滞ってしまうおそれがあります。
あわせて、認知症などに備えて財産管理を任せる任意後見契約や、入院・施設入所時の保証人を確保する身元保証契約なども検討しておくと安心です。
信頼できる相談窓口を見つける
おひとりさま終活は、一人で抱え込まず相談先を見つけておくことも大切です。
まずは、市区町村の高齢者福祉課や地域包括支援センターといった無料の公的窓口で情報収集を始めるとよいでしょう。
法的な手続きが必要な場合は行政書士や司法書士、弁護士などの専門家、安否確認や緊急時の対応が必要な場合は自治体や民間の見守りサービスというように、内容に応じて頼れる先を組み合わせておくと、無理なく準備を進められます。
まとめ

終活を始める年齢に、明確な決まりはありません。
大切なのは年齢の目安ではなく、「始めようと思ったとき」に一歩を踏み出すことです。
エンディングノートの作成や身の回りの整理など、取り組みやすいことから少しずつ始めれば、将来への安心感にもつながります。
とはいえ、いざ身辺整理や生前整理を始めようとすると、何から手をつければよいか迷ったり、一人ではなかなか進められなかったりすることも少なくありません。
そうしたときは、無理に一人で抱え込まず、専門家の力を借りるのも一つの方法です。
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