自宅や介護の現場で床にうんちをしてしまった場合、適切に処理することは衛生管理のうえでとても重要です。
便には多くの細菌やウイルスが含まれており、誤った方法で処理すると感染症のリスクが高まる恐れがあります。
特に高齢者や免疫力の低下している方がいる環境では、より慎重な対応が求められます。
本記事では、便の処理の仕方を具体的な手順に沿ってわかりやすく解説していますので、いざというときの備えとしてぜひ参考にしてください。
便の処理の仕方
便の処理は感染症予防の観点からも正しい手順で行うことが大切です。
以下8つのステップに沿って、安全かつ衛生的に便を処理しましょう。
1.便の処理前に準備するものを揃える
便の処理を始める前に、必要な道具をすべて揃えておくことが大切です。
途中で道具を取りに行くことで、汚染を広げてしまう可能性があります。
【必要なものリスト】
● 個人防護具(使い捨て手袋、サージカルマスク、ビニールエプロンまたは袖付きガウン)
● 目の保護具(フェイスシールドまたはゴーグル)
● 足の保護具(シューズカバー)
● 拭き取り用品(ペーパータオル、新聞紙、捨ててよい布など)
● 消毒剤(0.1%次亜塩素酸ナトリウムなど)
● 希釈用のバケツやペットボトル
● ゴミ袋(3枚以上)
これらはひとまとめにして保管しておくと、緊急時にも落ち着いて対応できます。
消毒液は必要に応じて希釈して使用し、作り置きはしないようにしましょう。
2.使い捨て手袋とマスクを装着する
便には多くの細菌やウイルスが含まれている可能性があるため、自分自身を守るためにも防護具の着用が重要です。
まず手指を清潔にし、使い捨て手袋を片手ずつ丁寧に装着します。
手首までしっかりと覆うように装着しましょう。
サージカルマスクをきちんと装着し、鼻と口をしっかり覆います。
状況に応じて、ビニールエプロンやゴーグルも着用するとより安全です。
3.便のまわりをペーパータオルなどで囲む
便の周囲をペーパータオルや新聞紙などで囲み、処理中に便が周囲に広がるのを防ぎましょう。
十分な量のペーパータオルを使用し、完全に囲むようにしてください。
4.ペーパーで便をすくい取る
ペーパータオルや使い捨ての布で便をすくい取りましょう。
外側から内側に向かって静かに拭き取るのがコツです。
便をすくい取ったペーパーはその都度ゴミ袋に入れてください。
一度使用したペーパーで何度も拭かないよう注意します。
5.細かい残りカスをペーパーで拭き取る
目に見える便を取り除いたあとも、細かいカスが残っている可能性があります。
便のカスが残らないよう、ペーパーで丁寧に拭き取りましょう。
強くこすらず、押し当てるようにして優しく拭くことがポイントです。
必要に応じて新しいペーパーを使用し、清潔に保ちながら作業を進めましょう。
6. 固まってこびりついた便の取り方
時間が経過して床に固着してしまった便は、通常のペーパーだけでは取り切れない場合があります。以下の方法で慎重に対応しましょう。
● 固まり便の処理手順
1. まず、乾燥してこびりついている便の周囲に消毒液を軽く吹きかける(0.1%次亜塩素酸ナトリウムなど)。
➢ 消毒と同時に、便をふやかして取りやすくします。
2. 5分ほど置いて柔らかくなってきたら、プラスチックのヘラやカードのようなもの(使い捨て可)を使って便をこそげ取るようにすくい取る。
3. こすりすぎて床材を傷めないよう、やさしく少しずつ剥がすイメージで。
4. 取り除いた便はペーパーに包んで、ゴミ袋へ速やかに廃棄します。
5. 残った汚れはペーパーと消毒液で再度拭き取り、最後に乾拭きで仕上げると衛生的です。
● 注意点
フローリングや畳など素材によっては水分や消毒液で傷む可能性があるため、目立たない場所で試してから使用しましょう。
7.袋で密封し、臭いが漏れないようにする
便や使用済みペーパーは防臭効果の高い袋やビニール袋に入れます。
袋の中の空気をできるだけ抜いてから、しっかりと密封しましょう。
袋止めクリップなどを活用すると、より確実に密封できます。
臭いが漏れないように、必要に応じて二重にするなど工夫しましょう。
8.汚れた箇所を掃除・消毒する
最後に、残った細菌やウイルスを除去するための消毒作業を行います。
汚れた床は0.1%次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒剤を使用します。
消毒剤をペーパータオルに染み込ませて拭き取るのが効果的です。
処理後は十分に換気して、室内の空気を入れ替えましょう。
便を漏らした時の対処法
介護中に便を漏らしてしまうことは、決して珍しいことではありません。
突然のアクシデントに慌てないよう、適切な対処法を知っておくことで精神的な負担を軽減し、スムーズに対応できます。
ここでは、便を漏らした際の初期対応から肌のケア、外出時の備えについてわかりやすく解説します。
すぐに行うべき初期対応
便が漏れた直後は、焦らず冷静に対応することが大切です。
便が広がらないように注意し、落ち着いて行動しましょう。
- 人目を避けて静かにトイレへ行く
便が漏れたことに気づいたら、まずは落ち着いて行動しましょう。
可能であれば人目を避けて、静かにトイレへ移動します。
介助する側も、本人のプライバシーに配慮しつつ対応することが大切です。
- 動かず便を広げない
便が床や衣服に付着している場合は、できるだけその場で動かず、便が周囲に広がらないようにしましょう。
移動する場合も、最小限の動きにとどめて、便が他の場所につかないように注意します。
深呼吸して冷静に対処する
介護する側もされる側も、便のトラブルが起こると慌てがちです。
まずは深呼吸して気持ちを落ち着けましょう。
冷静な対応が、感染予防やスムーズな処理につながります。
肌を清潔に保つためのケア方法
皮膚に便が付着したままだと、炎症やかぶれの原因になります。
やさしく丁寧に拭き取り、肌を清潔に保つことが重要です。
- やさしく拭き取る
肌に付着した便は、できるだけ早くやさしく拭き取ります。
強くこすらず、押し当てるようにして丁寧に取り除きましょう。
おしりふきや弱酸性の洗浄剤を使用すると、皮膚への刺激を抑えられます。
- 保湿剤でケアする
拭き取ったあとは、保湿剤を使って肌を保護しましょう。
排泄物による刺激や乾燥から皮膚を守るためには、バリア機能の維持が重要です。
保湿剤は摩擦を防ぐ効果もあります。
- 異常があれば皮膚科へ行く
赤み、ただれ、ヒリヒリ感などの皮膚トラブルが見られる場合は、早めに皮膚科やかかりつけ医に相談しましょう。
便の付着が繰り返されることで、「失禁関連皮膚炎(IAD)」になることもあります。
外出先でも安心できる備え方
外出中の便もれに備えて、必要なものを事前に準備しておくと安心です。
すぐに処理できる体制を整えておきましょう。
- おしりふきを携帯する
外出中に便もれが起こってもすぐに拭き取れるよう、おしりふきを携帯しておきましょう。
肌へのやさしさを考慮し、アルコールフリーのものがおすすめです。
- 替えの下着と袋を常備する
万が一に備えて、替えの下着と防臭袋をセットで持ち歩くと安心です。
汚れた衣類を密封して持ち帰れるので、衛生面の確保はもちろん、周囲への配慮にもなります。
- 消臭スプレーを携帯する
外出中に便を漏らしてしまったとき、気になるのが臭いの問題です。
こうした場面に備えて、消臭スプレーを携帯しておきましょう。
便が漏れてしまった際の臭いをやわらげることで、周囲への気配りにもなります。
携帯用サイズのスプレーなら、バッグに入れてもかさばらず、緊急時にすぐ使えて便利です。
まとめ:特殊清掃ならトカノ ハート&ハート
突然の便のトラブルは、自宅や介護の現場でも慌てがちですが、本記事で紹介したように適切な手順と準備を知っておけば、落ち着いて対処できます。
ただし、大量の便や強い臭いが残るケース、精神的に対応が難しい場合には、専門業者に依頼するのもひとつの方法です。
トカノ ハート&ハートでは、排泄物の処理を含む特殊清掃に対応しており、個人宅から施設まで幅広い現場で実績があります。
感染対策を徹底したうえで、原状回復や消臭・除菌作業まで丁寧に行うので安心です。
「自分では手に負えない」「臭いがなかなか取れない」など、お困りの際は無理をせず、プロの力を借りましょう。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!