コラム

床にうんちをしてしまった掃除の仕方は?弄便(ろうべん)の原因や対処法

高齢者の介護や精神疾患のあるご家族のケアをされている方にとって、床にうんちがある状況に遭遇することは珍しくありません。

このような状況は介護者にとって身体的にも精神的にも負担となりますが、適切な知識と準備があれば、効率的かつ衛生的に対処することが可能です。

この記事では、床にうんちをしてしまった場合の掃除方法を詳しく解説します。

弄便の原因や対処法についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

床にうんちをしてしまった時の掃除の仕方

床にうんちをしてしまった場合、まずは落ち着いて対処することが大切です。

ここでは、家庭でできる基本的な掃除手順をご紹介します。

①手袋・マスクを着用する

うんちには多くの細菌やウイルスが含まれている可能性があります。

これらの病原体から自分自身を守るため、掃除を始める前に必ず防護具を着用しましょう。

具体的には、使い捨てビニール手袋またはゴム手袋、不織布マスクがあると便利です。

手袋があれば直接うんちに触れることを避け、手を保護してくれます。

また、不織布マスクがあれば空気中に飛散する可能性のある微粒子や臭いから保護してくれるでしょう。

可能であれば使い捨てのエプロンや袖カバーも用意すると、衣服の汚染を防げるためおすすめです。

これらの防護具は事前に用意しておくと、緊急時にすぐに対応できます。

②うんちをペーパーなどでやさしく取り除く

うんちを取り除く際は、床に汚れを広げないよう慎重に行うことが重要です。

まず、トイレットペーパーやキッチンペーパーでうんちをそっとすくい取ります。

決してこすらず、優しく持ち上げるようにして取り除いてください。

力を入れすぎると床に汚れが広がってしまいます。

取り除いたペーパーはビニール袋に入れて密閉し、すぐに捨てましょう。

固形物をすべて除去したら、次の消毒ステップに進みます。

③汚れた部分を塩素系漂白剤で拭き取る

うんちが残した汚れや目に見えない病原体を除去するためにも、適切な消毒剤を使用しましょう。

塩素系漂白剤は強力な除菌・消臭効果があり、ウイルスや細菌を効果的に除去できます。

まず、漂白剤を水で適切に薄めて使用します。

このとき、必ず商品の表示を確認してください。

薄めた溶液を雑巾やペーパータオルに染み込ませ、汚れていた部分を丁寧に拭き取りましょう。

塩素系漂白剤を使用するときは、換気を十分に行い、他の洗剤と混ぜないよう注意してください。

特に酸性洗剤と混ぜると、有毒なガスが発生する危険があります。

④アルコールや次亜塩素酸でしっかり除菌する

塩素系漂白剤で拭き取ったあとは、アルコールや次亜塩素酸で仕上げの除菌を行いましょう。

スプレータイプのアルコールや次亜塩素酸水を使用し、汚れていた部分全体をまんべんなく拭きます。

ただし、床材の種類によっては変色や傷みの原因になることがあるため、使用前に目立たない部分でテストすることをおすすめします。

⑤使った道具や手を丁寧に洗う

最後に、掃除に使った道具や自分の手をしっかり洗浄・消毒しましょう。

汚れが落ちたように見えても、目に見えない菌が残っているかもしれません。

使い捨てできるものは廃棄し、再利用するものは洗剤で洗ってから、熱湯やアルコールで消毒するとよいでしょう。

手洗いは石けんと流水で30秒以上行い、指の間や手首まで丁寧に洗います。

ここまで紹介した掃除手順は、あくまで家庭でできる応急処置です。

汚れが床材の奥に染み込んでいたり、臭いが残ってしまったりする場合、見た目はきれいでも衛生的には不十分なことも少なくありません。

また、弄便(ろうべん)が繰り返されるようなケースでは、精神的・肉体的な負担が非常に大きくなることもあります。

だからこそ、本当に安心・安全な環境を保つためには、「特殊清掃」のプロに任せることが大切です。

専門の技術や薬剤を用いた清掃は、家庭では難しい部分まできちんとケアしてくれます。

無理をせず、心と体を守るためにも、必要に応じてプロの力を頼ってください。

材質別!床のタイプごとのうんちの掃除方法

床の材質によって、うんちの掃除方法は異なってきます。

間違った方法で掃除してしまうと、シミや臭いが残ったり、素材を傷めてしまう原因になることもあるでしょう。

ここでは、床のタイプごとに具体的な掃除方法をご紹介していきます。

フローリング

フローリングは木材のため、湿気にとても弱い素材です。

そのため、できるだけ水を使いすぎないよう注意しましょう。

①中性洗剤を水で薄めて雑巾を固く絞り、手早く拭く

②水で濡らして固く絞った雑巾で洗剤や水分を残さないよう二度拭きする

③最後に乾拭きをして水分を取り去る

除菌が必要な場合は、除菌成分入りのお掃除シートやアルコールスプレーで拭くのもおすすめです。

カーペット・ラグ

繊維の奥まで汚れや臭いが入り込みやすいカーペットやラグは、重曹などを活用した分解・消臭ケアがポイントです。

①汚れた部分に重曹をたっぷり振りかけ、ゴム手袋でなじませ、数時間〜半日置いてから掃除機で吸い取る

②シミが残っている場合は、重曹+酸素系漂白剤をペースト状にして塗布し、温めた雑巾でたたく

③少量の水を使って拭き取り、乾いた雑巾で拭き取ることを数回繰り返す

④汚れが落ちたことを確認したら、水拭きをして洗剤や重曹をしっかり取り除く

最後にしっかり乾燥させることも忘れないようにしましょう。

湿気が残ると、カビや臭いの原因になることがあります。

畳・布製品

畳や布製の床材は、水分や洗剤を吸い込みやすく、デリケートな素材のため、慎重にお掃除をしましょう。

①水分が多いときは、表面の水分を吸い取る(おむつやペットシーツがあると便利)

②畳の隙間には小麦粉や塩、ベビーパウダーなどをふりかけて吸着させ、掃除機で吸い取る

③中性洗剤をぬるま湯で薄め、かたく絞った雑巾で拭く

④クエン酸水やお酢を使い、殺菌・消臭をする

⑤乾拭きして、可能であれば天日干しを行う

畳にはアルカリ性の洗剤(重曹・セスキ炭酸ソーダなど)は使わないようにしましょう。

変色や傷みの原因になります。

弄便(ろうべん)の原因とは?

弄便(ろうべん)とは、排泄された便を手で触ったり、塗りつけたりする行為のことを指します。

一見、驚きや戸惑いを感じてしまう行動ですが、そこにはさまざまな原因が潜んでいるのです。

ここでは、弄便につながる4つの原因を見ていきましょう。

精神的なもの

弄便の背景には、精神的なストレスや不安が関係している場合があります。

たとえば、環境の変化や介護されることへの抵抗感、排泄に失敗してしまったことへの羞恥心など、心の負担が大きくなることで弄便が起こることがあるのです。

とくに、周囲の対応が厳しかったり、本人が不安や孤独を感じているときに起こりやすくなる傾向があります。

認知症による判断力の低下

認知症が進行すると、便意そのものや排泄物に対する認識が曖昧になることがあります。

トイレの場所が分からなかったり、排泄の手順を忘れてしまったりと、日常の流れがうまくつかめなくなるのです。

その結果、トイレ以外の場所で排泄したり、うんちを手で触ってしまうことがあります。

これは本人の意思というよりも、脳の働きがうまくいかないことによる行動です。

排泄後の不快感やかゆみ

排泄後のおむつの蒸れ、うんちが皮膚についたままの不快感、かゆみやヒリヒリ感など、身体的なつらさが弄便のきっかけになることもあります。

特に肌が敏感な高齢者にとっては、ちょっとした違和感でも強いストレスになるため、手でうんちを取ろうとしたり、こすってしまう行為につながることがあるでしょう。

うんちを異物として認識できていない

認知症の進行により、うんちを「自分が出したもの」として認識できなくなることがあります。

その結果、うんちをゴミや異物のように扱い、別の場所へ運んだり、トイレの壁や床に塗ってしまうといった行動が見られることがあるのです。

これは本人にとって「排泄物」ではなく、「何かよくわからないもの」として映っている可能性があるため、叱ったり責めたりせず、冷静に対応することが大切です。

弄便の再発防止のためにできること

弄便が続くと、介護をしている側もされている本人も、心身ともに負担を感じやすくなります。

しかし、いくつか工夫を取り入れることで、少しずつ改善していくことも可能です。

ここでは、弄便の再発防止のためにできることをご紹介します。

トイレで排泄する

できるだけトイレでの排泄を習慣づけることが、弄便の防止にはとても大切です。

認知症や身体機能の低下がある場合でも、定期的なトイレ誘導やサポートを行うことで、少しずつ排泄の流れを思い出していけることもあります。

トイレの場所が分かりやすいように、明るく清潔に保ち、目印をつけるなどの工夫をするとよいでしょう。

タイミングを見て、決まった時間にトイレへ誘導するルーティンを作るのも効果的です。

排泄後すぐにお尻を拭いて不快感を防ぐ

排泄後に便や尿が皮膚に残っていると、かゆみや不快感から手で触れてしまう原因になることがあります。

だからこそ、排泄後はなるべく早く、やさしく丁寧にお尻を拭くことがとても重要です。

おしりふきは、肌にやさしい素材のものを選んで、刺激を避けながら清潔に使いましょう。

皮膚を守ることで、弄便のきっかけを減らすことにつながります。

落ち着いて過ごせる環境を整える

精神的な不安や混乱も、弄便につながる大きな要因です。

そのため、まずは落ち着いて過ごせる環境づくりから整えていきましょう。

静かで過剰な刺激のない空間や、いつものルーティンが守られた生活は、心を穏やかにしてくれます。

また、家族や介護者のやさしい声かけや笑顔は、本人にとって大きな安心材料になるでしょう。

排泄に成功したらポジティブな声かけをする

うまく排泄ができたときは、ぜひ笑顔で「よくできたね」「頑張ったね」と声をかけてあげてください。

ポジティブな声かけは、本人の自信を育て、排泄行動への意欲にもつながります

「またちゃんとできた!」という体験を重ねることで、排泄に対する良いイメージが定着し、弄便も少しずつ減っていく可能性があります。

声のトーンや表情もやさしく、安心できる雰囲気で伝えてあげましょう。

まとめ:特殊清掃ならトカノ ハート&ハート

床にうんちをしてしまったときの掃除は、衛生面のリスクが高く、精神的にも大きな負担となります。

特に弄便が繰り返される場合、家庭内での対応には限界があるため、早めに専門の力を借りることが大切です。

特殊清掃には、見た目の汚れを取り除くだけではなく、臭いや細菌、ウイルスの除去まで徹底して行う技術と知識が求められます。

無理に自力でなんとかしようとすると、素材を傷めたり、二次感染のリスクを高めてしまう可能性もあるため注意が必要です。

そんなときは、特殊清掃のプロである「トカノ ハート&ハート」へご相談ください

経験豊富なスタッフが状況に合わせた丁寧な対応を行い、清潔で安心できる空間を取り戻すためのサポートをいたします。

大切なご家族との生活を、より安全で快適なものにするために、適切な対応を心がけましょう。

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